T細胞レセプターγ鎖+免疫グロブリンH 鎖遺伝子再構成解析
(Tリンパ球+Bリンパ球クローナリティー解析)

Q:

細胞診や組織学的検査と何が異なりますか。
A:
A:細胞診や組織学的検査では、診断医により診断が異なる場合があります。クローナリティー解析では、非常に客観的に 判断できます。またT/B リンパ球のどちらが腫瘍性に増殖しているかが明らかになります。


Q:
遺伝子検査で単一バンドが検出されたら、腫瘍性と断定しても良いですか。
A:
断定はできませんが、高確率に腫瘍性と判定できます。クローナリティー解析は、T/B リンパ球の単一増殖を検出します。 腫瘍性に増殖しているリンパ球は単一に増殖していますが、感染症などにより反応性にリンパ球が単一に増殖すること もあります。クローナリティー解析だけでなく、他の検査を併せると診断精度が向上します。


Q:
クローナリティー解析でリンパ球の単一増殖が検出されなければ、リンパ球系腫瘍は否定できますか。
A:
完全には否定できません。クローナリティー解析ではT・B リンパ球の腫瘍性増殖を検出することは可能ですが、 Non-T/Non-B タイプのリンパ腫は検出来ません。またT/B リンパ球が腫瘍性に増殖していても、稀な症例では検出 できない場合があります(資料1)


Q:
クローナリティー解析でリンパ腫とリンパ球性白血病を区別できますか。
A:
区別できません。クローナリティー解析は検体中でT/B どちらのリンパ球が腫瘍性に増殖しているかを検出する検査で あり、腫瘍化したリンパ球がどこで発生したかは明らかにできません。


A:
クローナリティー解析でグレード分類やステージ分類はできますか。
Q:
出来ません。クローナリティー解析は検体中でT/B どちらのリンパ球が腫瘍性に増殖しているかを検出する検査であり、
腫瘍の悪性度や転移などは明らかにできません。


A:
リンパ節は腫脹していますが、採材できません。血液でも検査できますか。
Q:
クローナリティー解析では、検体中に細胞・組織が含まれていれば検査は可能です。しかし、検体中に腫瘍化したリンパ
球が存在しない場合、「異常なし」という結果になります。血液中に異常なリンパ球が存在することを確認してから検査を
行うことをお勧めします。

A:
スライド標本から検査できますか。
Q:
細胞診に用いたスライド標本からの検査が可能です。アルコール固定・染色・封入等は検査に影響しません。病理組織
標本からの検査も可能ですが、お勧めしません。検査はホルマリン固定により阻害されます。阻害された場合には、腫
瘍性増殖の有無が判定できません(判定不可)。


c-kit 遺伝子変異検査

Q:

c-kit 遺伝子変異検査
A:
あらかじめ遺伝子検査を実施することで、非常に薬価の高いメシル酸イマチニブが効果を発揮するかどうかの予測が できます。


Q:
肥満細胞腫のグレードによってc-kit 遺伝子変異の頻度に違いはありますか。
A:
一般的にグレードIの肥満細胞腫では、ほとんど変異がないことが知られています。逆にグレードIIIでは、約半数の症例で変異が見られると報告されています。組織学的に高グレードな症例(あるいは臨床的な挙動が非常に悪い症例)で検査すると陽性率が高いと考えられます。


Q:
c-kit 遺伝子変異検査で変異の認められた症例では、必ずメシル酸イマチニブが効きますか。
A:
非常に高い確率で効果が認められます。しかしながら、稀に耐性を持ち効かない症例も存在します。


Q:
c-kit 遺伝子変異検査で変異が認められなかった症例では、メシル酸イマチニブが効きませんか。?
A:
変異が認められなくても効いた症例はあります。このような症例では、本検査で検出することのできない変異あるいは c-kIT 以外の成長因子レセプターに変異が存在することが考えられます。



イヌジステンパーウイルス(CDV)

Q:

抗原検査や抗体検査と何が異なりますか。
A:
抗原検査または抗体検査は抗原抗体反応を用い、イヌジステンパーウイルス(CDV) またはCDV に対する抗体を検出し ます。しかしながら、抗原抗体反応には、非特異的な反応により偽陽性・偽陰性の出る確率が高いと言われています。一方、 リアルタイムPCR 法は検体中に存在するCDV の遺伝子を特異的に増やし検出するため、非常に感度の良い検査となり ます。また、抗体検査で検出された抗体は、ワクチン接種により誘導された抗体であるのか、それとも天然株の感染に より誘導されたものであるのか、区別することができません。。


Q:
ワクチン株と天然株を区別できますか
A:
残念ながら区別することは出来ません。本検査では検体中にワクチンに使用されている株が混入すると、陽性と判定し てしまいます。ワクチンの影響が考えられる場合には、ワクチン接種から3 週間以上経過してから、検査することをお 勧めします。


Q:
遺伝子検査により検出されなければ、感染はないと判断して間違いありませんか。
A:
リアルタイムPCR 法は非常に高感度の検査ですが、他の検査と同様に検出限界があります。したがって、検出されなかっ
た場合であっても、感染を100%否定することはできませんが、存在する可能性は低いといえます。また、遺伝子検査では、
検体中にCDV が存在するか否かを判定します。神経系に感染しているが糞便中に出現していない場合などに、糞便を
用い検査を行なったとしても、CDV は検出されません。病変部位を検体に用いることをお勧めします。

Q:
検体として何を用いて良いか分かりません。
A:
神経症状が認められる場合には脳脊髄液および血液、呼吸器症状が認められる場合には咽頭拭い液および結膜拭い液、
消化器症状が認められる場合には糞便および血液をお勧めします。


ヘモプラズマ(ヘモバルトネラ) バベシア・ギブソニ

Q:

遺伝子検査はヘモプラズマやバベシア・ギブソニの治療効果のモニタリングに使えますか。
A:
はい、使えます。治療に反応すると検出できなくなります。


Q:
遺伝子が検出できなくなったら根治したと考えて良いのですか。
A:
遺伝子が検出できないレベルまで減少しても、その後検出されるようになる場合(再燃)があります。


Q:
血液を用いた検査で検出されなければ、全身にいないことになりますか。
A:
血液中には検出限界以下の病原体しかいないことになりますが、脾臓などで休眠状態の病原体が存在する場合には血液か
らは検出されません。疑いがある場合には定期的な検査が必要となります。



上部気道感染症・ネコ風邪・歯肉口内炎

Q:

遺伝子検査は治療効果のモニタリングに使えますか。
A:
:はい、使えます。治療に反応すると検出できなくなります。


Q:
遺伝子が検出できなくなったら根治したと考えて良いのですか。
A:
遺伝子検査で検出できないレベルまで減少しても、その後検出されるようになる場合(再燃)があります。これは、日和見 感染などにより生体内で持続的に感染し続けた病原体が、ネコの免疫力の低下などにより増幅することが原因となります。 遺伝子検査は再燃のモニタリングにも有用です。


ネネココロナウイルス(FCoV)定量/ 定性検査

Q:

検査でFCoV が検出されたらFIP と確定診断がつきますか。
A:
検体により異なります。腹水・胸水から検出された場合には、FIP と確定診断して間違いないと考えられます。しかし、血液 中から検出された場合にはウイルスの有無だけでは診断できません。FIP の臨床症状が伴いウイルスが検出されれば(その 他の検査で疑いが強い場合等)、FIP と確定して良いと思われます。一方、臨床症状が伴わない場合(健康診断で検査を行っ たらウイルスが検出された等)には、FIP の原因となりうるウイルスが血液中に存在することは間違いありません(感染は成 立しています)が、FIP は発症していないと考えられます。このような症例では定期的に検査を行い、臨床経過を注意深く 観察する必要があります。


Q:
ウイルス数に基準値はありますか。
A:
現在、基準値は設定できていません。ただし、一般的に血液・腹水・胸水・脳脊髄液からウイルスは検出されることはないの で、検出された場合には異常(FCoV の感染は成立)と判断します。


Q:
ウイルスが検出されたら必ずFIP を発症しますか。
A:
血液で検出された場合には、必ずしも発症するとは言えません。ウイルス数が低い場合には、陰性転化することがあります。 当社の検査で血液中からウイルスが1,500/?検出された症例がいますが、その後陰性転化し元気にすごしています。 一方、ウイルス数が数百しか検出されなかったにも関わらず、明らかな臨床症状が認められた症例もあります。


Q:
ウイルスが検出されなければ、今後FIP を発症する可能性はないと断定できますか。
A:
断定はできません。健常なネコの約60%で糞便からFCoV が検出されたという報告があります。FIP は腸管に存在する
FCoV の一部が変異を起こし血液中で増殖することが原因とされています。検査により血液中から検出されなくとも、今後糞
便中のFCoV が何らかの原因で血液に移行する可能性は否定できません。


Q:
ウイルスが検出されなければ、FIP を否定できますか。
A:
完全には否定できませんが、その他の疾患を疑うべきと考えられます。ただし、リアルタイムPCR 法は非常に感度の良い検
査ですが、非常に低濃度のウイルスしか存在しない場合には検出できない場合があります(検出限界以下)。また現在知られて
いない変異型のFCoV が出現した場合には、検出できない可能性もあります。


Q:
糞便から検出できますか。
A:
検査は可能ですが、健常なネコでも腸管にはFCoV が存在するので、検出されたウイルスがFIP の原因となるFCoV であるの
か、それとも腸コロナであるのか明らかにできません。


Q:
定量検査と定性検査は、どのように使い分ければ良いですか。
A: 定量検査と定性検査の間には、感度と特異性に違いはありません。健康診断等でFCoV の存在を除外したい場合、またはFIP
を疑う明らかな臨床症状があり確定診断のためにFCoV の存在を確かめたい場合には、定性検査で十分であると考えられま
す。一方、治療効果の判定を行うには定量検査によりウイルス数の算出が必要です。定性検査を行った後、同一検体で定量検
査を行うことも可能です。


細胞表面マーカー解析T/B セット(CD3、CD4/CD8、sIgG/CD21)

Q:

細胞表面マーカー解析T/B セットとクローナリティー解析は何が異なりますか。
A:
どちらもT/B リンパ球の異常な増殖を検出する検査です。クローナリティー解析はPCR により遺伝子を増幅しリンパ球のモノクローナルな増殖(腫瘍性増殖)を検出します。したがって腫瘍化していない正常なリンパ球の中に、一部腫瘍化したリンパ球が含まれた場合にも異常を検出できます。一方、細胞表面マーカー解析T/B セットでは、全リンパ球中に含まれるT リンパ球とB リンパ球の割合を算出します。腫瘍化したリンパ球と正常なリンパ球を分けることはできません。典型的な症例では、単一の細胞集団(上記症例参照)が検出されることから、腫瘍性か否かの判断が可能となります。しかしながら、正常なリンパ球の中に一部腫瘍化したリンパ球が含まれる場合には、リンパ球の割合に明らかな異常が検出できない場合があります。これらのことから、初期病変や反応性変化との鑑別が難しい場合にはクローナリティー解析、そして形態学的検査から同じような細胞が沢山存在する場合(例;鏡検した結果、視野中の細胞のほとんどがリンパ芽球)には、細胞表面マーカー解析をお勧めします。ただし、どちらの検査もリンパ球の異常を100%検出できる完璧な検査ではありませんので、両検査を併せて行うことで診断精度は向上します。


Q:
免疫組織染色と何が異なりますか。
A:
抗体を用いて染色するという点では同じですが、免疫組織染色では顕微鏡視野中で染色されている細胞の多い少ないを診断医が判断します。一方、細胞表面マーカー解析では数値として割合が算出されるため非常に客観的な評価となります。


Q:
腫瘍性増殖か非腫瘍性増殖か判断できますか。
A:
厳密には判断することはできません。ただし典型的な症例では、単一の細胞集団(上記症例参照)が検出されることから、
腫瘍性か否かの判断が可能となります。


Q:
単球や顆粒球の異常な増殖は検出できますか。
A:
イヌ(ネコ)では単球や顆粒球に発現している表面マーカーに対する特異性の高い抗体が少ないため、今のところ検出で
きません。将来的に特異性の高い抗体が開発されれば、検出が可能となります。



ネコ免疫不全ウイルス(FIV)定量検査

Q:

抗体検査と何が異なりますか。
A:
抗体検査では、感染したFIV に対する抗体を測定します。抗体は一度産生されると長期間体内で保持されます。感染ネコが安定期に入ったとしても検査では陽性と判定されることがあります。一方、FIV 定量検査では血漿中に存在するウイルス粒子そのものの数を測定します。ウイルス数は病期と相関するため、ウイルス数を測定することで予後を予測したりすることが可能となります。


Q:
プロウイルス検査と何が異なりますか。
A:
プロウイルスは、FIV の持つ逆転写酵素によりネコのDNA に組み込まれたウイルス遺伝子です。感染したネコではプロウイルスを持つことから、プロウイルス検査ではFIV が過去に感染したか否かを判別することができます。一方、FIV定量検査では血漿中に存在するウイルス粒子そのものの数を測定します。ウイルス数は病期と相関するため、血漿のウイルス数を測定することで予後を予測したりすることが可能となります。


Q:
ウイルスが検出されたらネコAIDS を発症しますか。
A:
必ず発症するとは限りません。検出された場合には感染していることは間違いありませんが、今後発症するか否かはネコの免疫状態などにより変わってきます。ウイルス数と病期に相関があることから、定期的に検査をすることで発症の危険性を予測することは可能であると思われます。


Q:
ウイルスが検出されなければネコAIDS を発症しないと断定できますか。
A:
断定はできません。リアルタイムPCR 法は非常に感度の良い検査ですが、検出限界が存在します。また検査では検出することのできない変異型が感染した場合には、本検査では陰性になります。


Q:
ウイルスが検出されなければ、FIV の感染を否定できますか。
A:
感染の可能性は低いといえますが、断定はできません。臨床症状などから感染の疑いが強い場合には、定期的な検査を
お勧めします。



ネコ白血病ウイルス(FeLV)定量検査

Q:

抗原検査と何が異なりますか。
A: どちらもウイルス粒子そのものを検出するので、基本的には同じになります。しかし、抗原抗体反応には非特異的反応が多いため、偽陽性・偽陰性の確率が高いと言われています。一方、FeLV 定量検査ではリアルタイムPCR 法という非常に特異性の高い方法を用います。さらに一検体につき複数回PCR を行うことから、非常に精度の高い検査です。簡易キットによる抗原検査と臨床症状の間にギャップを感じる場合には、精密検査としてFeLV 定量検査をお勧めします。


Q: プロウイルス検査と何が異なりますか。
A: プロウイルスはFeLV の持つ逆転写酵素によりネコのDNA に組み込まれたウイルス遺伝子です(感染症5-1 Note 参照)。感染したネコではプロウイルスを持つことから、プロウイルス検査ではFeLV が過去に感染したか否かを判別することができます。一方、FLeV 定量検査では血漿中に存在するウイルス粒子そのものの数を測定します。その為、検査時点でのウイルスの有無を知ることが可能となります。


Q: ウイルスが検出されたら白血病を発症しますか。
A: 残念ながら、ウイルスの数と白血病の発症の関連は明らかになっていません。


Q: ウイルスが検出されなければ、FeLV の感染を否定できますか。
A: 感染の可能性は低いといえますが、断定はできません。リアルタイムPCR 法は非常に感度の良い(ウイルス数が少なく ても検出)検査ですが、感染初期などでウイルス数が極端に少ない場合には検出できない場合があります(検出限界)。感 染の可能性が高い場合には、定期的な検査をお勧めします。また抗原検査を併せることでより高精度に診断できます。




FCoV・FeLV・FIV 定性検査
Q: 定性検査と定量検査は何が異なりますか。
A: 定性検査はウイルス感染の有無を明らかにします。検出された場合には、ウイルスの存在を明らかにできますが、感染したウイルス数を明らかにできません。一方、定量検査では感染の有無とウイルス数が算出されます。また、定量検査では一検体につき複数回PCR を行うので、精度の高い検査であると言えます。


Q: 定性検査と定量検査はどのように使いわければ良いですか。
A: FCoV・FeLV・FIV のいづれかの感染を疑う明らかな臨床症状がある場合には(例;FCoV の感染を疑う腹水の貯留)、それぞれの定量検査を行うのが良いと考えられます。しかし、様々な臨床症状を示す複雑な症例や健康診断などでは、網羅的に検査可能な定性検査をお勧めします。








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